vim-hybrid

二人の会話のつづき

晩餐 「え、ウザったいですか?これ?」

教授 「ウザったいね。だいたい何だね?その色は?」(スキームの事らしい)

晩餐 「いや、こっちの方が見やすいので」(カッコイイとは言えなかった 笑)

教授 「おまけに下のバーみたいの何それ?そういうの必要なの?」

晩餐 「あると便利ではありますけど」

教授 「そもそもVimやEmacsは道具なのよ?わかる?」

晩餐 「わかります」

教授 「物を書くための道具ね、シャーペンや鉛筆みたいな」

晩餐 「そうですよね」

教授 「最近そういう画像をアップしてる人とかよく見かけるけど」

晩餐 「流行ってますからね」

教授 「君たちのやってることはね、例えばシャーペンや鉛筆なんかに
    絵の具で色付けして、それを撮影して見せてるのと同じなのよ」

晩餐 「たしかにそうですよね」

教授 「それって何か意味あるの?よくわからないな」

晩餐 「でも、そんなこと言ったら、教授だって…」

教授 「ん?私が何だって?」

晩餐 「教授の乗ってるゼットありますよね?」

※実は、この教授、旧車のフェアレディZ乗りでやたらドレスアップに凝ってたw

教授 「うん、あのゼットがどうかしたの?」

晩餐 「車だって移動するための道具ですよね?」

教授 「まあそうだね」

晩餐 「あんなエアロパーツとか必要あります?」

教授 「え、あれにはちゃんと意味が…」

晩餐 「空気力学的には多少は意味はあるでしょうけど」

教授 「もちろんだよ、ありゃカッコ付けとはワケが違う」(誰もそんなこと言ってない 笑)

晩餐 「でも教授、高速とか乗らないし、コンビニくらいですよね?車使うの」

教授 「うぅ、いや…それでも意味はあるんだよ、決して、無意味じゃない
    そもそも君ね、シャーペンや鉛筆と車を比較すること自体おかしい」

晩餐 「でも、どっちも道具ですよね、道具?」

教授 「まあそうだが…わかったもういい」

それ以来、なぜか教授は私には声をかけてくれなくなってしまった(笑)
それどころか、以降は体調不良とかでオフ会も開かれなくなってしまい
しばらく経ってサイトも閉鎖されてしまった。単なる偶然かもしれないが。

そして数年後、サイトの住人だった知人からのメールを読んで初めて知った。
どうやら教授は、その後、しばらくして、体調を崩し、お亡くなりになったらしい…

娘さんにメールして電話でお悔みを伝えたのだが、vimの一件を話題にすると
教授も、その後はスキームやPowerlineでバリバリの状態にして使ってたらしい。
しかも、一番愛用していたスキームというのがvim-hybridだったというのである。

あの日、教授が私のvimを見て、ウザったいと言い放った、あのスキームである。
それを聞いた途端、なぜか急に涙が溢れだして止まらなかったのを憶えている。
本日は教授の命日だ。ひさしぶりにvimを起動しよう。

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