米通信キャリア大手AT&Tは現地時間の3月20日、独Deutsche Telekom傘下のT-Mobile USAを買収することで合意に達したと発表した。
買収は390億ドル相当の現金と株式で行われ、12カ月以内に完了の見込み。この買収で、AT&Tは米国民の約95%に当たる2億9400万人にLTEサービスを提供できるようになるとしている。
AT&Tは、この買収はFCC(米連邦通信委員会)および、オバマ米大統領が目標に掲げている「全米の隅々までをデジタル時代に接続する」という取り組みを支援することにもなると説明している。また全米の20の地域市場のうち18市場で5社以上の通信業者がサービスを提供しており、健全な競争が行われていると主張した。
米Business Insiderによると、2010年末のAT&Tの携帯加入者数は9550万人で全米で最も多く、T-Mobileは3370万人で4位。2位の米Verizon Wirelessの加入者数は9410万人と、AT&TとVerizonは小差で首位を争っており、この買収でAT&Tは首位の座を確立できることになる。
各社の通信規格は、3GではAT&TとT-MobileがGSM系。Verizonと米3位のSprintはCDMA。LTEに関しては、VerizonがAT&Tに先んじて昨年12月にサービスを開始している。
T-Mobile USAは同日発表した加入者向けQ&Aで、買収完了後も同社は独立企業として存続し、加入者へのサービス提供にも変更はないとしている。なおAT&Tが販売する米AppleのiPhoneを販売することもないという。(ITmedia)
AT&T Buying T-Mobile USA In $39 Billion Deal